2008年 11月 21日
伝説のプログレ 新月 (原点を探る) |
かれこれ25年以上聴き続ける日本のバンドがある。それが伝説のプログレッシブロックバンド新月だ。
ジェネシスに夢中になり、コピーし始めた当時、生意気にも日本固有のロックなるものを自分なりに模索していたおりに出合ったのだ。何曲目かに自分で作った曲からは彼らにも影響を受けていたという意味では創作の原点のひとつなのだ。
移入された文化をいかに自分たちの土壌に融合するかは、音楽に限らず当時大きな課題であった。特に音楽の場合、歌詞の問題が大きかった。英語で歌うのか、日本語で歌うのか。
彼らは日本語固有の美しさを楽曲に反映させ、日本の風土そのものを投影させるという事を非常に高度に成し遂げた。その結晶が1stアルバムの名曲「鬼」「白唇」「科学の夜」だ。
方法論としてはジェネシスをベースにしているので完全にオリジナルとは言えないが、メロディライン、歌詞世界のオリジナリティは非常にクオリティが高く、この点に置いては本家を凌駕していると評価できる。これは口でいうのは簡単だが実際にはかなり困難な取り組みなのである。
彼らの当時のライブを見逃していた事を非常に悔やんでいたが、昨年復活ライブを遂げついに見る事ができた。古さを感じた入り、ぎこちなさを感じる部分がなかった訳ではないが健在である事素晴らしいアンサンブルである事、シアトリカルな演出の過激さに打ちのめされた。
更にうれしい事は、ギタリスト津田治彦のバンド「玉ゆら」が始動し始め素晴らしい音を聞かせてくれている事だ。その音は和洋融合の追求で新月直系を感じさせる。いまだ彼らは進行形なのだ。この事は自分にとっても大きな励みになっている。
by kitaibunshi-ms
| 2008-11-21 08:14
| 音楽