2009年 06月 09日
UKZ来日公演 |
音楽ネタ続きですみません。
外タレライブに行っている場合ではないぞと理性は叫びながらも、行かねばこれが最後かもと、大枚はたいて買いましたよ、定額給付金で。麻生さんありがとう。
チケット買うのがギリギリだったのに席が空いていたので、これはガラガラかもとおもいきやほとんど満席。まずはよかった。最盛期から30年経ってこれだけ人を集めるのはなかなか立派ではないか。
アナクロな風情の九段会館と大英帝国「UK」を掲げたプログレスターとの組み合わせはシャレが効きすぎていてちょっと苦笑してしまうが、会場の大きさも含め取り合わせは悪くない。
のっけからノリのいいナイトアフターナイト。これに象徴されるように、アラスカ、ランデブー6.02、 Only thing she needs、ラストのIn the dead of nightまで実にサービス満点の選曲で、UK再来ライブと行ってもいい選曲である。加えてThema Of Secretのダイジェストまでソロ演奏、アンコールには「太陽と旋律」,「Ceasers palace blues」まで登場した。
ハイライトはなんといってもCarring No Crossではないだろうか?UKliveにも収録されなかったこの大曲はEddieJobsonの一つの到達点と思う。
ちなみにこの曲こそPinkfloydの「Wall」とともに70年代大英帝国プログレ終焉の曲ではないかと思う。
この曲が入った「DangerMoney」の発表が1978年、1978年と言えばGenesis 「そして3人が残った」Yes 「tormato」ELP「LoveBeach」などを発表、Bostonが2nd「Dont Look Back」をヒットさせ、産業ロック的な方向が決定的になった年でもある。もちろんこのあとにもプログレの大作が全くなくなったというわけではないが、リバイバルではない直系の様式はここに終わりを見せた。
そうした感慨も含めてテーマが劇的に展開し長いインストパートに連続する演奏は感動的であったがオルガン主体の演奏部分ではELPを彷彿とさせ古さも否応無しに感じられてしまったのである。
そのこと自体はEddie自身が最も自覚しているであろう。最新のEPに入っているRadiationがモダンプログレとも言えそうなエッジの効いたタイトな演奏であったからなおさらこの進行形の姿をもっと見てみたいと願うのである。
オリジナル曲を2曲しか歌えなかったボーカリストは存在感が薄かったが、ボーカリストとしても実力高い御大ジョンウエットンと比べるのは酷か。オリジナル曲が良かっただけに今後に期待しよう。
まあそれも欲張りな願いで、往年の選曲と復活した姿、有能なミュージシャンで固められた演奏とまずは満足。
どうしても地味になりがちなキーボーディストだが、このテクニシャンたちの中にあっても華麗な演奏で圧倒的な存在感をみせるEddiJobosonはやはりスーパープレイヤーであった。天空を突き抜けるようなエレクトリックバイオリンはまだまだ可能性を感じさせるに十分である。
ボーカルやキーボードの音のバランスが今ひとつだったり、やたらとソロコーナーが長いなどフルアルバムも出ていない新人バンドのつらさ、予算やレパートリーの少なさも垣間見えて未練も残った。次があるなら完璧な環境で再会したいと切に願う。
by kitaibunshi-ms
| 2009-06-09 10:45
| 音楽