2010年 02月 01日
Boston前夜 Angel&Queen プログレハードの行方 |
リノベーションアートの途中ですが、ツイッターでもつぶやきがあったので、呼応。
ボストンデビューが76年でここがロックの大きな変換点だと思う。これについてはボストンの項で書こう。
ユーライアヒープとイエスからボストンの間をStyxのほかに繋ぐものがないかといえば、密かにある。
ボストン前夜に実はプログレハードの原型が生まれている。それがAngelだ。
日本では40代前半以前の人はほとんど知らないだろうと思う。一時はQueen,KISS,Aerosmithと並び称されていたアイドルバンドであった。ほかのバンドがかなり成功を収めた中Angelは少なくとも日本では急速に失速した。まさに堕天使。
グラムロックの流れを汲むビジュアル系のイメージを打ち出したのが本家イギリスのQueenであったがこれに対抗してAngelはアメリカから登場した。白いひらひらの衣装に身を包んだメンバーは(全員とはいえないが…)容姿端麗、少女漫画のようなイメージで、ロックの華麗さだけを抽出したものだった。
グラムロックの猥雑さとは異なり、汗臭さから遠い洗練された音を出していた。一言でいえばUriahheepスタイルのメロディアスなハードロックにYESのリックウェイクマンスタイルのマルチキーボードを乗っけたものだ。シンセサイザーやメロトロンが飛び交うハードロックは今見るとどうってことはないが当時はまぶしい新しさがあった。
それにノンシャウトのハイトーンボーカル、陰りのあるキャッチーな曲調など荒削りながらデビューアルバムでかなりの完成度を見せていた。このアルバムが1975年発表。まさにボストン前夜。
そのアルバムから代表曲 Tower ひらひらの衣装やオーバーなアクションにはおもわず苦笑するが、緩急の効いた音はなかなかのもの。
この曲の他にも、マルチキーボードが活躍する曲が並び1流とはいい難いがかなりいい線いっている。セカンドでもボヘミアンラプソディを意識したような大作fortuneなどを聴かせている。
またこうしたプログレ的な音の他にポップな面もあり、その辺も産業ロックを先取りしている。77年のややPOPになった3rdアルバムもそういう意味でアメリカンハードプログレの佳作である。
ボストンのトムシュルツが彼らと接点があったとは思わないがアメリカからこういう音が出ていた事実は興味深い。
彼らが失速したのはプロモーターの倒産による来日公演の失敗が引き金だったのと、アイドルバンドのイメージと内容が噛み合なかったのではないかと思う。音が少々シリアスだったのだ。
実際その後の彼らはポップになって、アメリカではそこそこの成功を収めているし、リーダーのKB奏者グレッグジフリアは自身のバンドGiuffria、House Of Lordsでもヒットを飛ばしている。
これらの音も典型的な産業ロック的ハードプログレで、彼らがそのルーツの証でもある。
もうひとつ、ルーツではないが日本のNOVELAはじめビジュアル系バンドの重要な原型である事も付け加えたい。名誉挽回で再評価されて欲しい。
さてもうひとつ本家Queen。彼らをプログレとはいわないが2ndあたりでは結構プログレ的な音を出していた。ボヘミアンラプソディだって、オペラロックで見事にシンフォニックロック足り得ている。そして何よりギタリストBrianMayのギターオーケストレーションは間違いなくトムシュルツに影響を与えている。その意味でプログレハードの流れとしても見逃せない存在なのだ。
(Queenについてはあまり詳しくないので詳細は他の方にお任せ)
ここではQueenに軍配が上がったが時代は確実にアメリカに向いていた。
ボストンデビューが76年でここがロックの大きな変換点だと思う。これについてはボストンの項で書こう。
ユーライアヒープとイエスからボストンの間をStyxのほかに繋ぐものがないかといえば、密かにある。
ボストン前夜に実はプログレハードの原型が生まれている。それがAngelだ。
日本では40代前半以前の人はほとんど知らないだろうと思う。一時はQueen,KISS,Aerosmithと並び称されていたアイドルバンドであった。ほかのバンドがかなり成功を収めた中Angelは少なくとも日本では急速に失速した。まさに堕天使。
グラムロックの流れを汲むビジュアル系のイメージを打ち出したのが本家イギリスのQueenであったがこれに対抗してAngelはアメリカから登場した。白いひらひらの衣装に身を包んだメンバーは(全員とはいえないが…)容姿端麗、少女漫画のようなイメージで、ロックの華麗さだけを抽出したものだった。
グラムロックの猥雑さとは異なり、汗臭さから遠い洗練された音を出していた。一言でいえばUriahheepスタイルのメロディアスなハードロックにYESのリックウェイクマンスタイルのマルチキーボードを乗っけたものだ。シンセサイザーやメロトロンが飛び交うハードロックは今見るとどうってことはないが当時はまぶしい新しさがあった。
それにノンシャウトのハイトーンボーカル、陰りのあるキャッチーな曲調など荒削りながらデビューアルバムでかなりの完成度を見せていた。このアルバムが1975年発表。まさにボストン前夜。
そのアルバムから代表曲 Tower ひらひらの衣装やオーバーなアクションにはおもわず苦笑するが、緩急の効いた音はなかなかのもの。
この曲の他にも、マルチキーボードが活躍する曲が並び1流とはいい難いがかなりいい線いっている。セカンドでもボヘミアンラプソディを意識したような大作fortuneなどを聴かせている。
またこうしたプログレ的な音の他にポップな面もあり、その辺も産業ロックを先取りしている。77年のややPOPになった3rdアルバムもそういう意味でアメリカンハードプログレの佳作である。
ボストンのトムシュルツが彼らと接点があったとは思わないがアメリカからこういう音が出ていた事実は興味深い。
彼らが失速したのはプロモーターの倒産による来日公演の失敗が引き金だったのと、アイドルバンドのイメージと内容が噛み合なかったのではないかと思う。音が少々シリアスだったのだ。
実際その後の彼らはポップになって、アメリカではそこそこの成功を収めているし、リーダーのKB奏者グレッグジフリアは自身のバンドGiuffria、House Of Lordsでもヒットを飛ばしている。
これらの音も典型的な産業ロック的ハードプログレで、彼らがそのルーツの証でもある。
もうひとつ、ルーツではないが日本のNOVELAはじめビジュアル系バンドの重要な原型である事も付け加えたい。名誉挽回で再評価されて欲しい。
さてもうひとつ本家Queen。彼らをプログレとはいわないが2ndあたりでは結構プログレ的な音を出していた。ボヘミアンラプソディだって、オペラロックで見事にシンフォニックロック足り得ている。そして何よりギタリストBrianMayのギターオーケストレーションは間違いなくトムシュルツに影響を与えている。その意味でプログレハードの流れとしても見逃せない存在なのだ。
(Queenについてはあまり詳しくないので詳細は他の方にお任せ)
ここではQueenに軍配が上がったが時代は確実にアメリカに向いていた。
by kitaibunshi-ms
| 2010-02-01 18:20
| 音楽