2009年 10月 13日
Styx ープログレハードのもうひとつの源流 |
アメリカンプログレハードをのルーツを探っていてちょっと驚いた。
おそらくBostonに先んじて、kansasが源流なのではと思っていたのであるが、Styxの方がそれより早かったのである。Styxのデビューはなんと1972年である。イギリスのプログレ勢が全盛を迎える頃に早々と海の向こうで産声を上げていたのである。Bostonが76年、Kansasが74年、Journeyが75年、Rushでさえも74年デビューであるからこの早さは驚異的だ。
その72年の貴重な映像があった。
それから73年の「II」からのヒット曲「lady」、この曲は既に産業ロックの原型を確立している。
(前半のピアノソロは曲とは無関係)
このころはYESが「危機」を発表するなどイギリスのプログレは早くもピークを迎えていたから、そのクオリティは大人と子供くらいの差が歴然とはある。しかし、後のアメリカンハードプログレの特長となるハードロック的なリズムとドラマチックな構成、メロディアスでキャッチーな曲とコーラスなどの要素をこの時点で獲得しはじめている。
Styxは3頭体制のなかなかユニークなバンドで、ハイトーンボイスでクラシカルなデニスデヤング、ハードロック寄りでしゃがれ声のジェイムスヤング、アコースティックで甘い声のトミーショウとそれぞれの楽曲と声を生かした多様性が特長である。(なんとなくAlfeeに似ている?)それでいてリズムは比較的単純で変拍子が出てくるようなことはほとんどない。キャッチーでストレートな曲調ながら、バラードからドラマティックなナンバーや、ハードロックナンバーまでを幅広く許容する。(見方によっては節操がない)
ハードロックとプログレのいいとこ取りという意味ではStyxこそ源流と言っていいだろう。
ここで注目すべきはこの融合がアメリカで最初になされたということである。イギリスにおいてはこのようにぬけぬけといいとこ取りするようなバンドは現れていない。ハードロックもプログレもそれなりに必然性を伴って生まれてきたのものでありルーツが異なるのだから、簡単に接合するわけには行かないのだろう。ルーツの国から遠く離れたアメリカだからこそ生まれたといえるのだ。
もうひとつ、いいとこ取りする中で、棄てているものもある。
先述の変拍子、大作志向、強いメッセージ性や文学性、複雑すぎる構成などである。つまり聴衆が楽しむのに訓練を求められる部分を減じたのである。
この割り切りがStyxを次の時代の寵児とさせるのである。
実はすっかりポップになって売れたら分裂していくStyxには失望していたのであるが、この功績を改めてみて見直したのである。
そんなStyxの音楽性が確立する「CrystalBall」から表題曲。なかなかいい曲です。
おそらくBostonに先んじて、kansasが源流なのではと思っていたのであるが、Styxの方がそれより早かったのである。Styxのデビューはなんと1972年である。イギリスのプログレ勢が全盛を迎える頃に早々と海の向こうで産声を上げていたのである。Bostonが76年、Kansasが74年、Journeyが75年、Rushでさえも74年デビューであるからこの早さは驚異的だ。
その72年の貴重な映像があった。
それから73年の「II」からのヒット曲「lady」、この曲は既に産業ロックの原型を確立している。
(前半のピアノソロは曲とは無関係)
このころはYESが「危機」を発表するなどイギリスのプログレは早くもピークを迎えていたから、そのクオリティは大人と子供くらいの差が歴然とはある。しかし、後のアメリカンハードプログレの特長となるハードロック的なリズムとドラマチックな構成、メロディアスでキャッチーな曲とコーラスなどの要素をこの時点で獲得しはじめている。
Styxは3頭体制のなかなかユニークなバンドで、ハイトーンボイスでクラシカルなデニスデヤング、ハードロック寄りでしゃがれ声のジェイムスヤング、アコースティックで甘い声のトミーショウとそれぞれの楽曲と声を生かした多様性が特長である。(なんとなくAlfeeに似ている?)それでいてリズムは比較的単純で変拍子が出てくるようなことはほとんどない。キャッチーでストレートな曲調ながら、バラードからドラマティックなナンバーや、ハードロックナンバーまでを幅広く許容する。(見方によっては節操がない)
ハードロックとプログレのいいとこ取りという意味ではStyxこそ源流と言っていいだろう。
ここで注目すべきはこの融合がアメリカで最初になされたということである。イギリスにおいてはこのようにぬけぬけといいとこ取りするようなバンドは現れていない。ハードロックもプログレもそれなりに必然性を伴って生まれてきたのものでありルーツが異なるのだから、簡単に接合するわけには行かないのだろう。ルーツの国から遠く離れたアメリカだからこそ生まれたといえるのだ。
もうひとつ、いいとこ取りする中で、棄てているものもある。
先述の変拍子、大作志向、強いメッセージ性や文学性、複雑すぎる構成などである。つまり聴衆が楽しむのに訓練を求められる部分を減じたのである。
この割り切りがStyxを次の時代の寵児とさせるのである。
実はすっかりポップになって売れたら分裂していくStyxには失望していたのであるが、この功績を改めてみて見直したのである。
そんなStyxの音楽性が確立する「CrystalBall」から表題曲。なかなかいい曲です。
by kitaibunshi-ms
| 2009-10-13 11:08
| 音楽